嫌がらせに関する防犯対策
嫌がらせや誹謗中傷や迷惑行為に対する防犯対策は、一筋縄ではいかない傾向にあります。
例えば、他人の敷地内や集合住宅のベランダで鳩にエサを与えられてしまうと、周囲の住人は非常に迷惑を被りますが、その被害を警察に相談したからと言って、すぐに迷惑行為を行っている加害者が逮捕されるという訳ではありません。(警察官から注意してもらえる可能性はある)
多くの場合、嫌がらせをする人の特徴としては「一つの事に対して強くこだわる性格」で「ある程度時間に余裕がある生活」をしていて「現状に満足していない(社会的地位が低い・収入が低い・友人が少ない等)」の3点が挙げられます。
つまり、時間には余裕があるので「しつこい攻撃」を延々と繰り返す事が出来るのです。
嫌がらせや誹謗中傷をしてくる相手 10パターン
1:元彼や元彼女からの嫌がらせ
復縁が目的としての嫌がされも多いが、「可愛さ余って憎さ100倍」といった意味合いでの嫌がらせもあります。
2:元旦那や元妻からの嫌がらせ
復縁が叶わずに嫌がらせを行うケースが多い様です。(子供の親権を取られたのが気に入らないというケースもある)
また相手だけが幸せになるのが気に入らないので嫌がらせをするというケースもあります。
3:友人や知人からの嫌がらせ
「信頼していたのに裏切られた」「最近冷たくなった」「貧富の差が開いたのが気に入らない」等の原因が多い様です。
4:近所の住人からの嫌がらせ
「ゴミの出し方が気に入らない」「夜間の騒音」など些細な事が原因になっているケースが多い様です。
5:職場の上司からの嫌がらせ
「生意気」「指示に従わない」「口答えする」などの理由が多い様です。
6:職場の同僚からの嫌がらせ
「学歴などのコンプレックス」「話が合わない」「主導権の取り合い」等の原因で嫌がらせに発展するケースがあります。
7:取引先など仕事の関係者からの嫌がらせ
「態度が悪い」「上から目線なのが腹が立つ」「空気が読めない」などの理由で嫌がらせをされる事があります。
8:全く無関係な人間からの嫌がらせ
「八つ当たり」「ストレスの発散相手」「間違った正義感」などが嫌がらせの原因になっている場合があります。
9:SNSのフォロワーからの嫌がらせや誹謗中傷
「自慢が気に入らない」「発言が偉そう」「幸せな様子を見ていると腹が立つ」などの理由が多い様です。
10:仕事や私生活の利害関係者
「自分が得をするため」や「自分が損をしないため」に嫌がらせをするケースです。
場合によっては会社ぐるみや組織的な嫌がらせもあるので注意して下さい。(住宅の立ち退きや駐車場の優先利用など)
嫌がらせや誹謗中傷の多くは相手を特定されないようにするケースと、明らかに誰がやっているか分かるケースがあります。
しかし中には、他の人が嫌がらせをやっている様に装う悪質なケースもあるので防犯対策を講じる際は注意が必要です。
この場合、自分が加害者だと思っている相手も被害者の場合があるからです。
最悪の場合、間違えて無関係の人を攻撃してしまい、自分が加害者になってしまう可能性もあるので気を付けて下さい。
嫌がらせをする人は時間に余裕がある
他人に嫌がらせや誹謗中傷する加害者の特徴としては「時間に余裕がある事が多い」という傾向にあります。
動画投稿サイトや掲示板やSNSで他人の批判や悪口を繰り返すような行為をする人は、時間に余裕がある事が多いのです。
勿論、普段から忙しい人の中にも嫌がらせをする人はいますが、攻撃する期間や時間が限定的な場合が多い様です。
あなたのSNSや動画投稿サイトに不満がある人がいても、実際に悪意のある書き込みをする人の割合は3~7%程度です。
誹謗中傷が気になる場合は、バリア効果の高いSNS(ブロックすると別アカウントも含めてブロックしてくれるSNS)を利用したり、動画投稿サイトをコメントを書き込めない設定にして利用する事などの防犯対策をお勧めします。
無視しても収まらない嫌がらせ
よく、嫌がらせをする人を構うからどんどん被害が大きくなると考えている人がいます。
中には「(嫌がらせをしてくる相手を)相手にしなければ、そのうちやめるよ」等と無責任なアドバイスをする人がいます。
確かにそれで嫌がらせが収まる場合もありますが、実際は加害者を無視し続けても10年以上嫌がらせを止めない人もいます。
それは嫌がらせをする人をきちんと理解していないからです。
つまり、嫌がらせをする人の中には「嫌がらせをすることが生き甲斐になってしまっているケース」も多いという事です。
こういったケースでは「(加害者にとって)嫌がらせをする事が日常生活のルーティーン」になってしまっているのです。
このような場合の防犯対策は「徹底的に争う(覚悟と時間が必要)」か「逃げる(引っ越す)か「相手の興味対象を変更させる」しかありません。
不特定多数の人への嫌がらせ
嫌がらせの中には、明らかに自分を狙ったケースと、不特定多数の人を狙ったケースがあります。
不特定多数を狙った嫌がらせには、「お前の子供を誘拐する」とか「子供を殺害する」などと言った脅迫メール等を送るというパターンがあります。
これは、あなたに恨みがある人が、あなたの子供を狙った犯行予告というより、加害者側の憂さ晴らしや承認欲求が間違った方向に現れたケースだともいえます。(所謂、愉快犯と呼ばれている)
被害者の数が多いと警察が動いてくれる可能性もあるので、まずは警察に相談する事をお勧めします。
但、加害者側がVPN(Virtual private network/本当のIPアドレスを隠す機能があるプライベートネットワーク)やプロキシサーバ(中継させる代理サーバ)を使用したり、公共Wi-Fiを使用してアクセスしている場合はアクセス先の特定が非常に難しくなります。特にTor(匿名性の高いプロキシサーバ)等を使用されると、殆ど追跡は不可能です。
他にも、外国製のプリペイド携帯電話や乗っ取った他人のスマホなどからアクセスされてしまうと、犯人を特定するのも難しくなるので十分注意して下さい。
嫌がらせをされる原因 10パターン
1:恨みによるケース
被害者の過去の言動に対して、強い恨みを抱いていると何らかの方法(嫌がらせ)でし仕返しをしようとします。
何年も昔の事を急に思い出して、突然嫌がらせを始める加害者もいます。
2:嫉妬(妬みや嫉み)によるケース
被害者が高級な自動車を所有していたり、高価な腕時計やバッグなどを所有している事が気にいらないと感じるケースです。
3:独占欲(逆恨み)によるケース
被害者が加害者以外の人間と仲良くしているのを、加害者が面白くない感じて嫌がらせをするケースです。
4:かまって欲しいケース
普段から人と話す機会が少なく、他人に注意されたり喧嘩になったりしてでも、人と関わろうとするケースです。
本人に迷惑行為をしている意識はありますが、職場でも自宅でも独りなので、寂しさを紛らわす為にやっているケースです。
5:精神的な障害によるケース
実際は何の被害も発生していないのに、被害者が勝手に誰かに嫌がらせをされていると信じ込んでいるケースです。
いわゆる被害妄想だといわれているケースです。
6:偶然の重なりを誤解してしまうケース
偶然発生した被害を、自分が攻撃されたと思いこんでいるケースです。
例えば、道路を歩いていたら偶然落下物が身体に当たった場合、誰かの嫌がらせによるものだと誤解してしまうケースです。
7:認知症によるケース
加害者側でも被害者側でも起こり得るケースです。(最近は非常に多くなってきている)
2020年の認知症有症者は約602万人です。(高齢者の6人に1人が認知症有症者)
8:自分が正義だと信じているケース
加害者側が「自分は被害者」だとか「自分が正しい事を教えてやっている」と信じているケースです。
社会的地位がある人が定年後「自分がチヤホヤされない現状」に立腹し周囲から孤立している場合に起こりやすいケースです。
9:嫌がらせや誹謗中傷をしていると思っていないケース
特にSNSでの誹謗中傷に多いケースです。
自分は正当な主張や批評をしているだけで、誹謗中傷や嫌がらせには当たらないと思っているケースです。
10:勘違いによるケース
自動車の走行中にあおり運転をされる原因になる事もあります。
例えば、友人と談笑してたら自分が笑われたと勘違いして攻撃対象にされるケースです。
自分の現状に不満がある
過度な嫌がらせをする加害者の特徴として、現在の自分の状況に不満があるというケースが非常に多いという事が分っています。
つまり、相手(被害者)の何かが悪いというより、自分(加害者)の現状に対する不満をぶつける対象に、被害者が選ばれてしまったというケースです。(勿論、被害者に対して何らかの言い分はある)
間違った正義感を主張する
最近は、他人を誹謗中傷をしておいて自分の正義や価値観を主張する人が増えてきています。
つまり、自分は悪い事をしてないのだから、謝罪もしないし損害賠償もするつもりはないというケースです。
嫌がらせや誹謗中傷をする人の中には、「自分は悪い事をしていない」と考えている人や「間違った事をしている相手に、正義の制裁を加えている」と思っている人が相当数存在します。
例えば、自分が挨拶をしたのに相手に無視をされて嫌な思いをしたから、相手にも同じようにイヤな思いをさせてやろうとする様なケースです。
他にも、「せっかく教えてやったのに言った事をやってない」とか「何度も注意しているのに改善していない」ので、教える意味で「嫌がらせ」や「誹謗中傷」を行っているケースです。(40代以上の管理職や経営者の男性に多い)
他人の幸せが気に入らない
例えば、自動車のナンバープレートの折り曲げられたり、スプレーを吹き付けられたりする嫌がらせがあります。
そして、自動車のナンバープレートで、一番被害に合うのは「1」を設置している車両です。
人気の番号だけに「生意気」だとか「偉そう」だと感じる事も多い番号です。
また、「1」番のナンバープレートは盗難の被害にも合いやすく、車両へのイタズラやあおり運転の被害にも合いやすいので、人気のナンバーを選ぶ時は注意して下さい。
また、「1」番のナンバープレートを設置して、嫌がらせやイタズラに合っても、同情されるというより「そんな目立つ番号を付けてるからだろ」と批判される事も多いので、人気のナンバープレートの番号を選ぶ場合は「ある程度の覚悟」と「十分な防犯対策」を心掛けて下さい。
嫌がらせをする方が悪いと考えている人も多い様ですが、あくまでもそれは正論であって、嫌がらせをする加害者は「そんな目立つナンバープレートにしている奴が悪い」と考えます。(全ての責任は他人にあるという考え方)
他にも「高級な自動車に乗る」「高額な腕時計をする」「豪華な食事をSNSにアップする」などは、嫌がらせをされる原因になる(もちろん悪い事ではない)という事実だけは覚えておいて下さい。
警察に被害届を受理して貰えない7つの原因
1:対応できる警察官の人員が不足している
警察署には沢山の警察官がいると思っている方もいるようですが、それぞれの警察官に役割があるので全ての相談に対応する事は出来ないのが現実です。
2:他の人への嫌がらせのために被害届を出そうとする人がいる
被害者を装って他人を陥れる為に被害届を出そうとする人が一定数存在します。(精神的な病を抱えている人もいる)
例えば「隣の住人がゴミを自分の敷地に捨てて困っている」とウソの相談をする人がいるので、警察官も真偽が分らなくなる。
3:自分が加害者にならない為に被害届を出そうとする人がいる
例えば、自分があおり運転をしたのに「普通に自動車で走っていたら、突然幅寄せをされた」と、相手より先に自分が警察に相談する事で、自分は被害者だとアピールしようとする加害者も一定数存在します。
4:刑事事件ではないと判断される
民事事件の争い(裁判や調停等も含む)で自分が勝つために、相手を警察に逮捕させようとする人がいます。
警察は民事不介入の原則があるので、具体的な被害が発生していなければ被害届は受理して貰えません。
5:刑事事件の可能性はあるが軽微な犯罪だと思われている
例えば、自宅の敷地に数分間若者が屯しているだけでも警察に被害届を出そうする人がいます。
確かにその人にとっては大きな問題かも知れませんが、その程度の問題全てに対応しようとすると警察官の人員を10倍にしても足りなくなってしまいます。
6:解決する可能性が低い
これは本来被害届を受理してもらわないと困るでのすが、「加害者の情報」も「被害状況」も明確でない場合、解決する可能性が低いと被害届を受理して貰えない可能性があります。
例えば、「何者かが自宅に侵入した形跡があるが、何も盗られてはいないし犯人を見てもいない」ようなケースです。
7:時間が経過している
犯罪が時効になる前であれば、いつ被害届を出しても受理されると思っている被害者もいますが、実際は時間が経過すればするほど被害届を受理してもらえる可能性は低くなると思って下さい。
2年前に道端で知らない人に殴られたと言われても、警察側も捜査のしようがありません。被害届を受理してもらいたいのであれば、なるべく早いタイミングで相談に行く事が重要です。
いままで警察に被害届を提出しようとしたことが無い人は御存知ないかも知れませんが、被害届は受理して貰えない事も多いので注意して下さい。
本来、警察官は犯罪被害の届け出を全て受理しなければいけないという大前提があります。
しかし現実的にはそんなに簡単には被害届を受理して貰えない現実を理解して下さい。
仮に、あなたが警察官だと想像しながら考えてみて下さい。
相談に来た相手の被害届を受理して加害者を逮捕した後から、実は加害者だと思っていた相手が、加害者ではなく被害者だったとしたらどうしますか?
また、相談に来た相手の被害届を受理した後で、詳しい捜査をしたところ、実は犯罪でもなんでもなく相談者の勘違いだっとしたらどうですか?
また相談に訪れる人にとっては大きな問題だとしても、第三者から見れば大した事の無い問題だと判断される事はあります。
つまり、何らかの被害に遭ったからといって、常に被害届を受理してもらえる訳ではないという事です。
警察に被害届を受理してもらう5つの条件
1:「いつ」「どこ」で嫌がらせが発生しているかを明確にすること(時と場所)
相談に来る人は「私がウソをつくメリットがない」とか「自分の言っている事が真実です」と自分の正当性をアピールしますが、多くの場合は加害者側も似たような反論をするケースが多いので、「第三者が聞いてもあなたが被害者だと証明できるものがあると被害届を受理して貰えやすいです。
「被害が発生している映像」や「被害前の写真+被害後の写真」などがあると具体的な対応をしてもらえる可能性があります。
2:「犯人の特徴」や「犯人を特定できる具体的な証拠」があること(犯人の目星と証拠)
犯人を捜し出すのは警察の仕事だと思っている人も多いようですが、必ずしもそうとは限りません。
全く犯人の目星がつかない状態で捜査を開始するのと、ある程度犯人の証拠や特徴が整っている状況で捜査を開始するのとではかかる時間が全く違ってきます。
3:「具体的な被害」や「具体的な損害」を証明できること(被害状況)
「塀に落書きをされて困っている」というより「前日に塀が綺麗な状態である画像」を提出したり「清掃や修理にかかった領収書」などを添付する事で、少しでも「具体的な被害」を証明する事に繋がります。
4:被害がある程度大きいこと(被害の程度)
誰かに「どなられた」のと「殴られた」のでは被害の程度が違います。
同じ殴られたのでも「怪我をしていない(暴行罪)」のと「怪我をしている(傷害罪)」のでは罪の大きさも違ってきます。
5:弁護士に同行してもらうこと(専門家のサポート)
弁護士費用は発生してしまいますが、被害届を受理してもらえる確率は格段に上がります。
特に「元検事⇨弁護士」になった所謂「ヤメ検の弁護士」の方や「刑事事件を専門に扱っている弁護士」に相談すると効果が期待出来ます。
警察に被害届を受理してもらう方法
いままで警察に被害届を提出しようとしたことが無い人は御存知ないかも知れませんが、被害届は受理して貰えない事の方が多いので注意して下さい。
本来、警察官は全ての犯罪被害の届け出を受理しなければいけないという大前提があります。(国家公安委員会規則の「犯罪捜査規範61条」に記載)
しかし、それはあくまで警察官に対しての義務であって、被害届の受理を強制することは出来ないのです。
また、警察に被害届を受理して貰ったからと言って、必ずしも捜査が開始されるとは限りません。(捜査本部を置くような大きな事件は別)
それは現実問題として警察官の人員不足が原因です。
それでも警察に被害届を受理してもらうには捜査義務がある告訴状の提出をお勧めします。
告訴状は被害者本人でも書けますが、行政書士や弁護士に書いて貰った方が安心です。
簡単ではない嫌がらせ被害の解決
但し、警察に被害届を受理してもらい捜査を開始したからといって、嫌がらせ行為や迷惑行為が無くなるという保証はありませんし、必ずしも犯人が逮捕されるとは限りません。
毎年、日本では10万体以上(2018年は約17万体)の変死体が発見されていますが、司法解剖されているのは12%未満(2018年は2万344体)です。
つまり、毎年10万体以上の変死体は解剖されることもなく、死因究明(事故・病気・殺害)されることもないのです。
特に大分県では変死体が司法解剖される確率が3%、岐阜県では2%なのです。(司法解剖する予算がない・解剖医が少ない)
不自然に人が亡くなっていても解剖する予算すらないのに、日本中の嫌がらせ案件や誹謗中傷案件の問題が解決するまで警察が捜査する事自体に無理があるという事なのです。
嫌がらせに関する防犯対策
嫌がらせや誹謗中傷の中には、侮辱罪や名誉棄損罪に問えるようなケースもあります。
もし、あなたが嫌がらせや誹謗中傷を受けた場合は、警察に相談する事が重要です。
例え、被害届を受理して貰えない場合であっても「相談した事実」を残す事が大切です。
そうしておかないと、嫌がらせや誹謗中傷に合っているという事実が曖昧になってしまうからです。
また具体的な被害の状況(写真や映像)を保存したり、日付や時間帯などを記帳しておく事も大切な防犯対策の一つです。
名誉棄損罪と侮辱罪の違い
項目
刑法
内容
具体的な違い
事実との関係性
公訴時効
刑事罰(法定刑)
名誉棄損罪(罪が重い)
刑法 第230条
公然と事実を摘示して人の名誉を棄損した場合
「Aさんは中卒だからバカ」と言われる
Aさんが中卒か否かは関係なく成立する
3年(刑事)
3年以下の懲役・禁固・50万円以下の罰金
侮辱罪(罪が軽い)
刑法 第231条
事実を摘示しなくても公然と人を侮辱した場合
「Aさんはバカ」と言われる
Aさんがバカかバカではないかに関係なく成立する
1年(刑事)
拘留・科料
※拘留は30日未満の間、拘置所に収容される罰です。
※科料は1万円未満の現金を徴収される罰です。(実際は1,000~9,000円)
※侮辱罪の上限が引き上げられる可能性があります。(1年以下の懲役・禁固または30万円以下の罰金になる可能性がある)
※侮辱罪の公訴時効も引き上げられる可能性があります。(現行1年⇨3年)
誤解されている方も多いのですが、侮辱罪は社会的な評価を低下させた場合に成立する罪です。
つまり大勢の前で「バカ」「アホ」「カス」「クズ」等と罵られた場合には成立しますが、一対一で「バカ」や「アホ」と言われても侮辱罪は成立しません。
名誉棄損罪は具体的な事実が添えられている場合に成立する罪です。
例えば、下記の様なイメージです。
「Aさんはバカ」と多数の人の前で言われた(侮辱罪)
「Aさんは高校に進学も出来なかった中卒のバカ」と多数の前で言われた(名誉棄損罪)
しかし一対一で「Aさんは中卒だからバカだよな」と言われても、それは侮辱罪にも名誉棄損罪にもあたりません。
また、Aさんが実際に中卒か否かは名誉棄損罪に問われる上で関係ありません。
つまり、Aさんが実際に中卒だったからといって「中卒だからバカ」と大勢の前で言えば名誉棄損罪に問われますし、Aさんが中卒ではない場合に「中卒だからバカ」と言ったとしても名誉棄損罪に問われる事になります。
恐喝罪と強要罪と脅迫罪の違い
項目
刑法
内容
具体的な違い
公訴時効
刑事罰(法定刑)
恐喝罪(罪が重い)
刑法 第249条
相手を恐喝して財産を脅し取る犯罪
嫌がらせを止めて欲しければ、金を払えと脅し金を払わせる
7年(刑事)
10年以下の懲役
強要罪
刑法 第223条
相手に義務のない事を行わせる犯罪
嫌がらせを止めて欲しければ謝罪しろと強要する
3年(刑事)
3年以下の懲役
脅迫罪(罪が軽い)
刑法 第222条
相手に危害を加える事を告知して恐怖を抱かせる犯罪
謝罪しなければ殴ると告げる(実際に殴らなくても成立する)
3年(刑事)
2年以下の懲役
又は30万円以下の罰金
※恐喝罪では、実際に相手から財産を脅し取られなくても恐喝未遂罪が成立します。
嫌がらせや誹謗中傷されている相手から「お前を殴ってやる」と言われれば脅迫罪になる可能性があります。
嫌がらせや誹謗中傷されている相手から「嫌がらせを止めて欲しければ謝罪文を書くか土下座をしろ」と言われれば強要罪になる可能性があります。
そして、嫌がらせや誹謗中傷されている相手から「この嫌がらせを止めて欲しければ10万円を払え」と言われて金を払えば恐喝罪になります。(お金を支払わなくても恐喝未遂罪に問われる)
因みに、大抵の場合は加害者側が「そんなつもりで言っていない」とか「そんな風には言ってない」とか「そんな事を言った覚えはない」と言い逃れをする事が多いのが現実です。
特に客観的で具体的な証拠が複数存在しないと、警察が動いてくれない場合もあるので注意が必要です。
客観的な証拠を集める事も大切な防犯対策の一つだと言えるのです。
暴行罪と傷害罪の違い
項目
刑法
内容
具体的な条件
具体例
公訴時効
刑事罰(法定刑)
傷害罪(罪が重い)
刑法 第204条
人の身体を傷害した場合
「暴行」+「故意」+「傷害」+「因果関係」
髪を引っ張って怪我を負わされる
10年(刑事)
15年以下の懲役(1ヶ月~15年)
又は50万円以下の罰金(1~50万円)
暴行罪(罪が軽い)
刑法 第208条
暴行を加えたが傷害には至らなかった場合
「暴行」+「故意(暴行しようとする意志)」
髪を引っ張られる・服を掴まれる
3年(刑事)
2年以下の懲役
又は30万円以下の罰金
又は拘留か科料
※過失に因る傷害の場合は過失傷害罪に問われる可能性があります。
暴行罪には加害者側の「故意」が必要になります。
つまり、加害者が被害者を暴行しようとする意志があったという事です。
しかし実際は「そんなつもりはなかった」「殴ろうと思った訳ではない」「たまたま身体に触れてしまった」という良い訳をする加害者が多いのも事実です。
また警察に逮捕されたからといって必ずしも起訴(裁判)される訳ではありません。(現在、起訴される確率は30~35%程度)
自分は被害者だから、あとは警察に任せておけば安心だと考えるのではなく、状況に応じて自分に出来る限りの防犯対策を講じる必要性もあると考えて下さい。
嫌がらせに関する防犯対策
嫌がらせを止めさせる方法は幾つかありますが、どれも簡単ではありません。
基本的な防犯対策を実行するには「時間をかける(場合によっては10年以上)」「お金をかける」「逃げる(引っ越す)」の3択だと考えて下さい。
防犯カメラ愛知では、嫌がらせに対する防犯診断や防犯対策を実施しています。
もし気になる不審な出来事や不安な要素がある場合や、建物や人物の防犯目的や見守り対象がある場合など、防犯カメラの設置や利用を御検討されている方は、御気軽に防犯カメラ愛知に御相談下さい。