Q:防犯カメラの映像データを効率的に圧縮する方法ってあるんですか?
A:防犯カメラの映像データの伝送や保存には4種類の圧縮方法が使われています。
防犯カメラの映像を保存する際には、少しでも多くの情報を保存できる様に映像データを圧縮して保存しています。
圧縮する方法によって、ハードディスク(HDD・SSD)やSⅮカードに余白スペースを設けて多くの情報記録します。
映像データの圧縮方法には下記の4種類の方法を使うのが一般的です。
・M-JPEG(1フレームの画質が低下しない)
・MPEG-4(M-JPEGとH.265の中間的な圧縮率と画質)
・H.264(圧縮率が高く、ビットレートが低い)
・H.265(圧縮率が非常に高く、ビットレートも非常に低い)
最も画質が劣化しない圧縮方法は「M-JPEG」ですが、最も映像データを圧縮(減らす)事が出来るのは「H.265」です。
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可逆圧縮と非可逆圧縮
防犯カメラの映像に限らずデータを圧縮する方法は2種類に分ける事が出来ます。
それは「可逆圧縮」と「非可逆圧縮」です。
「可逆圧縮」は、データを圧縮した後からでも、元のデータに戻すことが出来る圧縮方法です。
つまり、可逆圧縮をすればデータ量を減らす事が出来る上に、圧縮する前の状態に復元する事も可能だという事です。
反対に「非可逆圧縮」は一度データを圧縮してしまえば、二度と圧縮前の状態に戻す事は出来なくなる圧縮方法です。
そう考えると、何度でも圧縮したデータを元の状態に戻す事が可能な「可逆圧縮」の方が便利な様に感じます。
しかし、殆どの動画データの圧縮方法には「非可逆圧縮」を採用しています。
それは圧倒的に多くのデータ量を圧縮する事が可能だからです。(効率的に映像を記録できる)
映像の圧縮方法
映像は静止画像を連続して記録している状態の事です。
何枚もの重ねた静止画を、一気にめくっていくパラパラ漫画の様な状態が動画なのです。
この中に同じ静止画が連続してある場合は、静止画の枚数を間引きする(減らす)事で情報の効率化を図ります。
これが動画の可逆可能な圧縮方法です。
1000枚の紙芝居から、同じ絵が描かれた部分を間引きして200~300枚くらいの絵にする感じです。
これを防犯カメラの映像に当てはめて考えて下さい。
防犯カメラの撮影している範囲に何の変化も無くても、録画機は全く同じ静止画(写真)を記録し続ける事になります。
何の変化もない様子を延々と記録に残し続けるのは、非常に効率の悪い事です。
そこで、何の変化もない同じ画像は、不要な静止画として間引き(削除)します。
これが防犯カメラの可逆可能な圧縮方法なのです。
因みに、動画の圧縮は「エンコード(encode)」と呼び、動画を圧縮する技術を「コーデック(codec)」と呼びます。
エンコード(多重化)は圧縮アルゴリズムに則り「静止画の情報や信号を編集できる様にデータ化」する事です。
反対に、一度圧縮した動画のデータを元の状態に復元する事は「デコード(decode)」と呼びます。
防犯カメラの非可逆方法では、前述の可逆圧縮の方法に加えて動画の中から動いていない部分は使い回す事で、効率的に情報を記録する方法です。
演劇で考えると、舞台に使われている背景は変わらないので同じ画像を使い回して、動いている人や自動車などの動画だけを記録していくという感じです。
動画の圧縮規格の移り替わり
項目
規格
採用されている動画
1984年~
H.120
――――――――
1990年~
H.261
テレビ会議・テレビ電話
1993年~
MPEG-1
CD・VHS(ビデオ)・β(ビデオ)
1995年~
H.262/MPEG-2
DVD・Blu-ray・SVCD・DVB
1996年~
H.263
携帯電話の映像・テレビ電話・テレビ会議
1999年~
MPEG-4
3G携帯の映像・インターネット映像
2003年~
H.264/MPEG-4 AVC
ハイビジョンテレビ・iPod Video・Youtube
2008年~
VC-2 (Dirac)
UHD・インターネット映像
2013年~
H.265/MPEG-H HEVC
4K映像・8K映像
2020年~
H.266
16K映像・360度カメラ
※MPEG-1は「Generic coding of moving pictures and associated audio information」の略語です。
動画の圧縮規格はどんどん効率的になってきています。
現在防犯カメラには、主にM-JPEG・MPEG-4・H.264・H.265と呼ばれる4種類の圧縮方法が使われています。
防犯カメラの様に撮影する範囲や背景が変わらない映像は効率的な圧縮をする事が出来ます。
しかし、4Kテレビで画面全体が常に移り替わるような映像を連続して流されると、動画を圧縮する事が出来なくなり映像の伝送に問題が発生する可能性があります。
映像の圧縮方法の違い
項目
標準化された時期
規格
正式名称
圧縮の方法
圧縮できる量
メリット
デメリット
M-JPEG
1995年頃~
JPEGの規格
Motion JPEG
静止画の連続表示
元の動画の約3倍
画質が低下しない
圧縮率が低い
MPEG-4
2003年~
MPEGの規格
MPEG-4 Part2
フレーム間暗号
元の動画の20~200倍
M-JPEGより圧縮可能
画像の鮮明度が低い
H.264
2011年~
MPEGの規格
H.264/MPEG-4 AVC
フレーム間暗号
MPEG-4の約2倍
圧縮率が高い
画質が下がる
H.265
2013年~
MPEGの規格
H.265/HEVC
フレーム間暗号
H.264の約2倍
非常に圧縮率が高い
画質が下がる
※AVCはAdvanced Video Codingの略語です。
※HEVCはHigh Efficiency Video Codingの略語です。
※「H.265」は2013年に「H.264/MPEG-4 AVC」の後継規格として2標準化された動画圧縮方法です。
現在、防犯カメラの動画の圧縮に使われている圧縮方法は上記の4種類です。
圧縮率の高い方が記録できる期間が長くなる「H.264」や「H.265」の方が効率的だと感じるかも知れませんが、映像の質で考えれば「M-JPEG」の方が鮮明な画像で記録する事が出来ます。
つまり防犯カメラを使用する目的や設置する条件や位置などを考慮して、映像の圧縮方法を選択する必要があります。
防犯カメラ設置の御提案
防犯カメラの選択
防犯カメラを選択する際には幾つかの重要なポイントがあります。
その中の一つに防犯カメラの録画記録時間があります。
長期間映像を録画出来なくても、泥棒の被害に気付いてから保存されている映像をチェック出来れば、十分な情報が得られるのではないかと考えている方も多くいるようです。
勿論、泥棒が侵入した時の映像だけでも、犯人の逮捕に至るかも知れません。しかし、犯行時には顔を隠したり手袋をはめたりして、犯人の特定が難しい場合もあります。
そのような場合にも、過去の映像が記録されていれば、泥棒が下見に訪れた時の映像が残されているかも知れないのです。
防犯カメラ愛知では集合住宅や戸建住宅や店舗や事務所などに対する防犯診断を実施しています。
もし気になる不審な出来事や不安な要素がある場合や、建物や人物の防犯目的や見守り対象がある場合など、防犯カメラの設置や利用を御検討されている方は、御気軽に防犯カメラ愛知に御相談下さい。